
家計が限界で借金がどんどん膨らみ、もうどうしていいかわからなかった。
そんなとき、「私たちが選んだのは“自己破産”という選択でした。怖いと思うかも知れませんが、これは人生を立て直すための制度でもあります。
この記事では、当時の私たち夫婦の経験と、いま悩んでいる方に伝えたいことをまとめました。
1.📍家計が苦しかった私たちのリアルな状況
どんな状況だったのか‥

家計が苦しくなり始めたのは、たぶん結婚当初に分譲マンションを買ったことがきっかけだったと思います。
結婚の少し前、夫の母が「実家の近くに新築の分譲マンションが建つらしいよ」と、夫にマンションのパンフレットを渡してきました。
ある日、夫は友人たちとの集まりの場で、突然「マンション買うことにした!」と笑顔で話しました。私は嬉しさよりも、言葉にならない不安を感じました。
なぜなら、これまでに私たちは家計の相談も、将来設計の話も、まともにできていなかったからです。

「…え、今それ決めちゃうの? 家計のこと、何も話してなかったのに……」
当時の私たちは、まだ20代後半。
お金に対する知識も浅く、何より、自分たちの現実を直視する勇気が足りていませんでした。
「住まいを持つ」という響きだけに浮かれ、目の前の生活をどう支えるかまで、きちんと考える余裕がなかったのです。私は「新婚生活は、小さな賃貸でもいい」と伝えました。
けれど、当時の夫は結婚への高揚感に飲まれ、私の声はあっさりと押し流されました。

今思えば、あのとき、もっと真剣に話し合えていたら…!!
もっと勇気を出して、反対できていたら――!!
そんな後悔が、今も心のどこかに残ってるよ〜〜〜っ😭
2.💸どんどん膨らむ借金と、夫との金銭感覚のズレ
引っ越しと新生活が家計に与えた負担
マンション購入によって住宅ローンの返済が始まりましたが、結婚直後の私たちには、まだ十分な貯金も収入もありませんでした。
その後、第一子が誕生し、生活は慌ただしくなったものの、数年間はなんとかやりくりをしながら暮らしていました。しかし、住んでいたマンションの環境が悪かったうえに、同じ棟の住人とのトラブルも重なり、私たちはその場所を離れる決断をします。
次に選んだのは、再び分譲の戸建てでした。引越しに伴う出費、新生活にかかる費用が重なり、少しずつ家計は圧迫されていきました。
夫の支出感覚と家計への影響
そんな中で、じわじわと影響していたのが“主人のお金の使い方”でした。
当時の主人は仕事が忙しく、家計のことを話す余裕も、夫婦の会話もどんどん減っていきました。
休日になると家に落ち着いていられず、外出が増え、外食や趣味にかかる支出もかさんでいったのです。
太陽光ローンがさらに家計を圧迫
さらに追い打ちをかけたのが、訪問販売業者に勧められた太陽光発電の導入でした。
なんと、主人は私に相談もなく、業者の話を鵜呑みにして契約を進めてしまったのです。「国から補助金も出るからお得になるし、つけたほうがいいって言われたから!」無邪気に笑う主人の言葉を聞き、私は言葉を失いました。
その日からまた一つ、新たなローンが家計にのしかかることになったのです。
毎月の返済に加え、太陽光ローンとして新たに月々1万5千円ほどが上乗せされることになりました。積み重なる支払いが、ただでさえ苦しかった家計に追い討ち、いよいよ手に負えなくなってきたのを感じました。
借金が限界を超えた瞬間
次第に、生活費の足りない分を補うため、リボ払いに頼り、キャッシングにも手を出すようにもなりました。
それでも足りず、ついには実の妹にまでお金を借りることになったのです。
💳 当時の借入先一覧(計10件)
分類 | 件数 | 備考例(任意) |
銀行系クレジットカード | 2件 | ○○銀行、△△カードなど |
流通・信販系カード会社 | 3件 | 楽天カード、イオンなど |
消費者金融 | 2件 | プロミスなど |
携帯端末割賦契約 | 2件 | スマホ機種代(夫婦分) |
車のローン | 1件 | ディーラー系ローン |
🛡️ 任意解約した保険(計11件)
保険の種類 | 件数 | 備考例(任意) |
生命保険 | 4件 | 終身・定期タイプなど |
学資保険 | 2件 | 子供用に加入していたもの |
医療・がん保険 | 3件 | 入院保障ありなど |
自動車関連保険 | 2件 | 車両・任意保険 |

「今見返しても、自分でも引いてしまうくらい、
支出のほとんどが借金と保険だったんです」
3.💔自己破産を選んだ理由と、決断までの葛藤
なんとか状況を打開しようと、私たちは住宅ローンを契約している銀行へ向かいました。
今抱えている借金のカード類を机に並べ、必死に相談を持ちかけました。しかし、窓口で対応した支店長は、こちらにろくに目も合わせず、「奥さんも働いて返済すればいいんじゃないですか?」と冷たく言い放ったのです。
周囲の銀行員たちは無言で業務を続けながらも、ちらちらと私たちを見る視線だけが痛いほど突き刺さりました。うつむいたまま銀行を後にする間じゅう、背中に浴びせられるような視線と、どうしようもない恥ずかしさ、悔しさに押し潰されそうでした。

あの瞬間、心のどこかで
「もう、誰にも頼れない」と感じたことを、
今でもはっきり覚えています…。
情けなさや申し訳なさが込み上げてきて、胸が苦しくなる思いでした。しかし、こうした状況を繰り返しても生活が改善されるわけではないと感じ、自己破産を選択肢として真剣に考える決断に至ったのです。
借金の増加と心の限界
私たちが自己破産を選んだ理由は、もはや借金の返済が物理的に不可能だと感じたからでした。
仕事や生活、家族を支えることと、次第に増えていく借金との間で、心身ともに限界を迎えていました。借金問題が解決できないまま、生活がどんどん苦しくなり、家計はさらに圧迫されていったのです。
この頃の私は、頬もこけて、実の親からも心配されるほど心身ともに疲れ切っていました。
仕事には行っていたものの、日中もずっとお金のことが頭から離れず、可愛い盛りの子どもにも向き合う余裕がありませんでした。思い返すと、胸が痛む気持ちでいっぱいになります。
そんな中、ふと頭に浮かんだのが、テレビCMでよく見かけていた法律事務所の存在でした。
「自己破産」という言葉は正直、怖かった。
そして何より心に引っかかっていたのは、「自己破産をしたら、周囲に知られてしまうんじゃないか?」という不安でした。
自己破産の不安と周囲への心配
特に、親族やご近所の方に知られてしまうかもしれない……という思いが強く、なかなか踏み出すことができませんでした。
でも弁護士さんから説明を受けて、「自己破産しても、周囲に知られることはまずありません」と教えてもらったとき、少しだけ心が軽くなったのを覚えています。
(※確かに官報には掲載されるけれど、一般の人がそれを見て調べることはほとんどないそうです。)
それでも、誰にも言えないまま一人で悩み続ける時間は、とてもつらいものでした。
最終的な決断に至るまで
最終的には、「もうこれ以上、借金で苦しみたくない」「家族の生活を守りたい」という思いが強くなり、一刻も早く立ち直るために、自己破産という選択を決断しました。

「“自己破産”か…でも本当にそれでいいの…?」
頭の中で何度も言葉がぐるぐる回っていました。
弁護士の方に、複数枚のクレジットカードや、消費者金融のカードをすべて提示した瞬間ーーー
それらを並べて見せながら、自分のこれまでの現実と向き合うのは、本当に情けなく、恥ずかしくて、涙が出そうでした。

「カードをこんな風に並べるなんて…」
「何してきたんだろ、私…」
弁護士さんは私たちの状況を一通り聞いたうえで、静かにこう言いました。

「これはもう、債務整理ではどうにもなりません。自己破産しましょう」
4.🚙心が折れた帰り道、まさかの追突事故
そして帰り道。
私が運転していた車に、後ろから追突してきた車があり、その勢いで前の車にもぶつかってしまいました。まさかの追突事故…。
ただでさえ心が折れそうだった私に、追突事故は容赦なく追い打ちをかけてきました。「もうやめて…」と、心の中で誰かに叫びたくなるような思いでした。

「えっ!?うそでしょ?なんで今、こんなことまで…」
車は一部損傷で済んだものの、主人の通勤手段でもあったため、使い続けることはできなくなりました。悩んだ末、義実家と義妹に相談し、中古の軽自動車を購入してもらうことに。名義は義父で、返済は月1万円ずつ、ボーナス月には少し多めに返す約束をしました。
さらに、車の車両代のほかにも、足りなかった引っ越し費用や賃貸の契約金も借りることになりました。支えてくれる家族の存在に感謝しながらも、情けなさや申し訳なさが込み上げてきて、胸が苦しくなる思いでした。
でも、同乗していた主人と娘が無事だったことだけは、唯一の救いでした。

二人が無事だったことだけは…ほんとうに、良かった。
📷これは、義実家と義妹に毎月返済していくために、自分で作った手書きリストです→
一つずつ線を引きながら、絶対に責任を果たそうと心に決めていました。

📓これは、弁護士に相談する前に自分で書いていた当時の家計簿です(個人情報はぼかしています)



家計全体の状況を記録した書類のコピーです。(加工済みです)

ローンだらけの家計簿…
ツッコミどころ満載すぎて泣けてくる(苦笑)
5.👀自己破産という選択肢に向き合うこと
自己破産の仕組みってなに?
「借金がどうしても返せない…」
そんなとき、人生を立て直すための方法のひとつが「自己破産です」
自己破産って怖いもの?
自己破産というと、「人生終わり?」「何もかも取られるの?」と心配になる人も多いかも知れません。
でも、実はこれは、国が用意してくれた「やり直しのチャンス」の制度なんです。
借金が返せなくなったとき、裁判所に申し立てをして、最終的に借金の返済を免除(🟰ゼロに)してもらうことができます。
🧭 破産の流れ(ざっくり)

借金がすべて消えるわけではない
注意したいのは、税金・教育費・罰金などは自己破産しても無くなりません。
でも、ほとんどの借金(カードローン、クレジット、ローンなど)は免除の対象になります。
自己破産は「やり直しのスタートライン」
たしかに、信用情報が傷ついたり、一定期間はローンやクレジットが使えなくなったりと制限もあります。でも、家族と普通に暮らせることはできますし、またコツコツ積み重ねていけば、未来は取り戻せます。私たちも、そうやって少しずつ生活を立て直してきました。
📝 私たちの場合
少額管財での手続きとなり、法律事務所の指示に従いながら進んでいきました。 ※少額管財とは、財産が少ない場合に適用される破産手続きの一種です。
弁護士さんの指示に従って、1つずつ手続きを進めていきました。

「そして、いよいよ自己破産の手続きが始まります」
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この続きは、次の記事で詳しくご紹介しています👇
👉 【後編】自己破産から再出発。手続きの流れと気づいたこと
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