
📝 前回の記事はこちら → 自己破産を経験して気づいた「現実」と「希望」—私の体験記①
「自己破産って、どんなふうに進むんだろう…?」
手続きを決断した当時の私は、不安と緊張でいっぱいでした。
実際に申し立てをしてから、管財人との面談、裁判所への出向、そして免責が確定するまで──。
思っていた以上に現実的で淡々とした流れの中で、心が揺れる場面もたくさんありました。
この記事では、私たち家族が体験した「自己破産の手続きの流れ」と、そこから見えてきた気づきについてお話しします。
同じように悩んでいる方の不安が、少しでも軽くなれば嬉しいです。
1.自己破産が始まるまでの流れ(申立前〜)
① 申立準備期間(〜2013年12月上旬)
- この期間に弁護士が「受任通知」を債権者へ発送し、支払い・取立てがストップします。
- 弁護士事務所の指示に沿って、資産の調査や必要書類の収集を進めました。
- 同時進行で、マイホームの競売手続きも開始されました。
📅 2013年12月上旬
「競売開始決定通知」が届きました。
当時、まだ引越し先が決まっておらず、正直パニック状態……。
📅 2014年3月上旬
なんとか近所に賃貸を見つけ、娘の学区を変えずに済んだのは救いでした。
② 裁判所への申立と管財人との面談(2013年12月〜)
📅 2013年12月初旬
裁判所へ正式に自己破産を申立。
📅 約2週間後
裁判所と管財人事務所の両方にて、それぞれ1回ずつ面談。
(※原則、平日に出向く必要があります)
この頃から、郵便物は管財人へ転送されるようになります。
③ 債権者集会(2014年4月下旬)
📅2014年4月下旬
弁護士とともに裁判所へ出向き、債権者集会に参加しました。
この日に「免責決定」が出されます。
主人によると、実際の債権者集会には、迷惑をかけた関係の方は誰も来なかったそうです。

誰も来なかったんだ。
でもその“誰も来なかった”という事実が、余計に胸に刺さった。
④ 免責確定・手続き完了(2014年9月中旬)
📅 2014年9月中旬
無事に「免責が確定」し、借金の返済義務が法的にゼロになりました。
申立から数えて、およそ9ヶ月で手続き完了となりました。
主人は、裁判官からの最後のひと言が、今でも胸に残っているそうです。

「あの時、裁判官がこう言ったんだ——
“本日をもって手続きは終わりましたが、関係者に迷惑をかけたことを忘れず、これからは謙虚に生活してください”
…その言葉が、今でも胸に残ってる」
2.🖐️手放したものと、残ったもの
自己破産を進める中で、私たちの生活にもいくつか大きな変化がありました。
「どんな物が手元に残せるの?」「何が没収されるの?」という不安は、私たち自身も感じていたことです。ここでは、実際に経験したことを正直にお伝えします。
🏠住宅のこと
我が家は住宅ローンが残っていたため、手放すことになりました。
裁判所から「競売開始決定通知」が届いた後、管財人さんの許可のもとで引越し費用として約30万円が支給され、なんとか引越し先を確保することができました。
その前に、「不動産競売事件に基づく現況調査」について書面で連絡があり、記載された日付に、裁判所の担当者立会のもと、間取り図を使って自宅の調査が行われました。
なお、この調査は基本的に立ち合いが求められますが、もし当日不在だった場合でも、物件には立ち入って調査されることがあるそうです。
タイミング的にはかなりギリギリで、不安でいっぱいでしたが、近所の賃貸に移れたおかげで、娘の学校区はそのままで済んだことが、何よりの救いでした。
📷右記は、実際に我が家に届いた「不動産競売事件に基づく現況調査通知書」です→
このように、裁判所から正式な書面で事前に調査の案内が届きます。
立ち合いの日が指定されており、その日時に不在でも、調査自体は行われることがあると記載がありました。

🚙車について
車のローンも残っていたため、所有権はディーラー側にありました。
そのため、自己破産の手続きに入った段階で、車はディーラーに引き取られる形となりました。
移動手段がなくなることには不便を感じましたが、「生活に本当に必要か?」と見直すきっかけにもなりました。
📶スマートフォンとWi-Fi
スマホも機種代が分割払いで残っており、夫婦ともに名義が主人だったため、手続きの中で機種は回収対象となりました。
自宅のWi-Fiも同様で、契約中の機器は回収。
その後は、楽天モバイルに妻名義で契約し直すことで通信環境を再構築しました。
3.🌅自己破産後に見えたもの
このように、家・車・通信機器など、生活に関わるものも見直しが必要になりました。
正直、戸惑いや不安もありましたが、「なくても生きていける」「必要なら後からでも整えられる」と思えるようになったのは、大きな収穫だったかもしれません。
自己破産後に行ったその他の手続きと支払い
自己破産の手続きが進んだあとも、いくつかの対応しなければならない支払いや手続きが残っていました。

正直、慣れないことばかりで大変だったけど……
今思えば、これは少しずつ生活を整えていく“始まり”だったのかも知れません。
以下は、私たちが実際に行ったことの一部です。
固定資産税の残り2期分について 
自己破産しても、固定資産税などの税金は免除されません。
そのため、残っていた2期分は納める必要がありました。
ただ、指定の納期には支払いが難しかったため、納期変更の手続きをしてから納付しました。
NHK受信契約の解約(廃止届の提出) 
テレビの受信設備がなくなったため、NHKに廃止届を出して契約を解約しました。
この手続きはネットでも簡単にできますが、忘れずにやっておく必要があります。
自動車税の還付について 
新車で購入していた車は、ローンが残っていたため、ディーラーに返還しました。
その後、支払っていた自動車税の一部が「通誤納額」として処理され、県税として還付されましたが、これは管財人の口座に返金されました。
ソーラー発電の売電分について 
自宅に設置していたソーラー発電の売電収入(約1万円弱)が、破産申立後に個人名義の口座に入金されました。その後、この講座は解約しなければならなかったため、入金分はすべて引き出して対応しました。
これらの細かい支払いや手続きは、破産手続きとは別で対応が必要なものが多く、ひとつひとつ確認しながら進めました。
📄こちらが、裁判所から実際に届いた「免責決定通知書」の一部です↓


「…やっと終わったんだ」そう思えた瞬間でした。
ここから、“本当の再出発”が始まったのかもしれません。
借金ゼロから、もう一度人生を整え始めました。
📘次回予告
次回の記事では、自己破産という決断を経て、
私たちが本当に気づいたこと、
そして今の生活の中で大切にしていることについてお話しします。
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▶︎ 続きはこちら:
👉 自己破産は終わりじゃなかった。本当に救われた瞬間と、再出発までの気づき
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